DVにおける世代間連鎖
DV加害者について焦点をあてると、この
背景には加害者の生育した家庭環境が大きく関係していると言われています。
DV家庭で育つと、将来被害者になる可能性がすこし高くなり、男児においては加害者になる可能性が高くなると推測されています。
子供時代は、両親と接する中でそれぞれの性の役割を学んでいくといいます。
加害者であるかもしれない、間違った行動も子供自身が学習していく面があります。
それが、世代間連鎖というところで脈々と受け継がれていく負の連鎖があるわけです。
幼い頃に虐待をされて育つと、大きくなって親となった時に、自身の子供にも同じように虐待をする可能性が高まります。
自分が育てられたように、育てていく。
不適切な養育の危険性が高まります。
様々なモラハラの本を読む中で、DV被害者の子供が加害者の夫に似たような行動をとるという相談事案がありました。
まさに、環境の中でしっかりと学習をしてしまったということなのだろうと思います。
母親からすると、ようやくDV夫から逃れたと安心したのに…
ある日、DV夫と同じような発言が子供から投げかけられたら…
この恐怖は本当に終わりがないような。絶望です。
行動変容が必要になるので、心理療法を受ける必要があるのだろうと思います。
虐待等心理的な影響を受けた子供に対するアプローチは、児童相談所での相談が窓口としてあるようです。
教育相談所、あるいは児童精神科もいいと思います。
私の子供は、児童相談所や教育相談所に相談をしました。
現在は心療内科にも通っています。
プレイセラピーを受けたり、子供が受けた心の傷をケアしたり正しい認識を取り戻す心理療法
(PCIT・ペアレントトレーニング)をとりいれて、世代間連鎖を止められるようにすることが、親として今できることかもしれません。
ちなみに、私自身の生い立ちとしても…母がDVを受けていて血だらけの母を何度も見て育っています。
いつもドキドキしながら、手をあげる父の大声も両親の争う声も耳に手をあてて聞かないように過ごしたことを思い出します。
まさに、私も機能不全家族の中で生育し、結婚してからDV被害にあうという状況においつめられています。
加害者に対するアプローチも必要ですし、子供に対してもケアが必要。
離婚をしたり、別居をして距離を持っても、根本的な解決には至らない側面があります。
まずは、安全を確保して法律的にも解決したら、次のステップとして心理療法を受けるということも検討していく必要があるかもしれません。
モラルハラスメントの全て
私が女性センターで一時保護を受けた際に、手続きしていた時に本をいくつかお借りすることができました。
シェルターに入る際には、貴重品などだけで携帯は預ける状況ですから、情報が得られません。
テレビは備え付けられていますが、一日の時間はとても長く感じました。
そんな時に、子供を寝かしつけ後に借りた本を読んでみたのですが。
改めて自分の状況に気が付いて、ショックでした。
本に書かれている事柄がまさに、私のことのようで、ぴたりとあうのです。
また、他の方の体験談なども。
その日は、本を読み進めていくことが途中ででき
なくなり、何度かに分けて読みました。
モラハラとは…↓一部引用すると…
・ささいなことを持ち出して相 手に非があるかのように怒り出す。
・人の気持ちを踏みにじって不安にさせる、理不尽な態度。
・精神的に痛めつけて、嫌がらせを繰り返す。
・判断能力を低下させて、行動や思考をコントロールしようとしている。
出典:「モラルハラスメント」のすべて 」
夫の支配から逃れるための実践ガイド 著者本田りえ
典型的な加害者のモデルは
・社会的な立場が高く有能である
・紳士的で社交的
・優しい
ということで、まさにこのタイプであるとなると環境的には「え、あの人が?そんなことしそうにないよね」と言われてもおかしくないのです。
私もそうでしたから。
言葉の暴力の影響が、身体的な暴力に比べてずっとこどもの発達的にも深刻であるといわれます。
(このあたりはまた別の機会に書こうと思います。)
身体など目に見えるものではない、精神的な暴力はずっとずっと根深くて人格をも支配される恐怖です。
自分の状況を早く気が付くこと、これが本当に必要なことだと感じています。
ただ、本を読んだりすることも人に話すことも苦痛で辛いことを思い出すのが困難なこともあります。
そんなときは、心療内科・精神科などでカウンセリングや薬物治療など、自分を回復するアプローチが優先であろうと思います。
また、並行しながら取り組んでいくという形でしょうか。
自分の力だけでは難しいことも多いですから、専門家の力も得ていくことも大切です。
怖いと感じたら…それはDVである
「怖いと感じたら…それはDV」
後々女性センターでカウンセリングなど、対応してくれた臨床心理の方からの言葉のひとつは印象的なものでした。
怖いと感じたり、緊張したりする。
それは家庭内において、加害者から受ける精神的な暴力のひとつであるということを教えてくれました。
私が何か悪いことをしたから、機嫌をそこねることをしてしまったから?
そんな思いがぐるぐる回りながらの生活。
あなたは被害者であるんだよと、自分をこれ以上苦しめなくていい。そんな簡単な、単純なことも理解できなかった程に相手に支配されていた現実があったわけです。
特に、長い期間のモラハラ、DVにより抜け出す気力もほとんどない状況にありました。
周囲いる人からの助言はどうなのだろう?
家庭内におけるDVの内容によっても、話せないこともありますし。
もし、誰かに話をして、また危害を加えられたらという不安も残りました。
きっとそんな風に答えがだせなくて、不安で周囲の人にうちあける勇気がでてこない、こともあるかもしれないです。
私の場合も、姉に相談はしていましたが本当に辛かったことは話せていません。
心配した姉から紹介された本のタイトルは「モラハラのすべて」でした。
でも、本を手にとり買おうと思いませんでした。
認めたくないのもありましたし、その本が家にあって、見つかっても大変ですし。
自分が我慢をすれば、子供が大きくなるまでは…そう言い聞かせての10年弱でした。長い…
だから、周りからの手助けが入りにくいというか
虐待された人にまたもどる…という心理は分からなくもないというか。
心理的なダメージは大きかったです。
ひとつのポイントが、怖いとか緊張とか、そう感じることは夫婦間でパートナーでいるのに本来普通ではない状況ですよね。
それに自身が気が付くことが難しいことがある。
でも、自分の心に蓋をしないで、感じる思いに鈍感にならないで向き合っていく必要があるのだと感じています。
あの時、紹介された本を読んでいたら…もっとはやく傷が浅いままに人生を取り戻せたんじゃないだろうか。そんな風に思いが交錯します。
でも、くやんでも仕方がない!
これからでも、自分の人生を取り戻していく。
これからは、もっとアンテナを張って自分から情報をとりにいきたい。
それが、自立の一歩につながると信じて。
DV相談窓口、DV相談+(プラス)なら24時間対応
コロナの影響もあり、各国でDVが増加して深刻な状況になっています。生活の不安やストレスにより、弱い立場である子供や女性への虐待につながっています。
公共機関の相談窓口は以下のようにありますが、その中でもDV相談ナビ、24時間対応のDV相談+(プラス)について情報をUPしたいと思います。
DV相談窓口
- 配偶者暴力支援センター
- 婦人相談所
- 母子生活支援施設
- 女性センター
- 福祉事務所
- 児童相談所
- 保健所
- 精神保健福祉センター
- 警察
- 医療機関
- 市役所生活福祉課等
◇相談先に迷ったら…DV相談ナビ↓
DV相談ナビ連絡先:
0570-0-55210(*通話料は自己負担)
自動音声で相談機関を案内をするナビサービス。
発信地から最寄りの相談機関を自動で転送してくれます。
相談先は各都道府県の中核的な相談機関になるので、安心です。
*転送先の相談機関の窓口対応時間によっては対応できない時間があるかもしれません。
公的な相談機関は時間外の対応がない場合もありますし、ひっ迫している状況では夜中に対応してほしい場合もあります。
◇24時間対応の相談先として…
DV相談+(プラス)
という相談機関です。内閣府男女共同参画局の事業の一つとして、DV相談ナビを強化した窓口になるとのこと。
DV相談+連絡先:
0120-279-889
(公衆電話からもOK,IP電話×)
*通話料・通信費は自己負担です。
TEL・メールは24時間対応
チャット12時~22時
10か国語対応
DV相談専門員が配置されていて、面談や同行支援、直接的な支援もお願いできます。
安全な場所の提供等役割を担っています。
自由になれる!一歩踏み出す勇気
DVという配偶者やパートナーからの暴力は、主に5つの項目で分けられます。
- 身体的暴力
- 精神的暴力(モラルハラスメント)
- 経済的暴力
- 性的暴力
- 社会的隔離
身体的暴力は私の場合はありませんでした。
暴力をうけて身体的にもダメージがありますし、生命の危険のリスクも高まり、刑事事件に発展することもあります。
私が経験した2番の精神的暴力(モラハラ)は、大声で怒鳴られたり、罵られたり、人格否定、欠点の指摘を延々説教されるなどです。
経済的暴力については、生活費を渡さないということはありました。
性的暴力もありました。避妊をしない、強要するなどです。これも心身ともに苦痛を味わいますし、私にとって心が死んでしまうような経験でした。
望まぬ妊娠もあり、結果として流産という形ですが、子供を失っています。
5番の社会的隔離は暴力という概念と異なるかもしれないですが、メールをチェックする、友人や親族と連絡がとれないよう疎遠にさせる、財布をとりあげる、外出をさせない、衣服の自由を奪う等です。
私の場合はメールのチェックはありました。
上記のように、複数あてはまるDVを受けている現状の方もおられるかもしれません。
加害者が被害者を孤立させて、精神的に追い詰めることで思考能力が奪われてしまう面もあります。
でも、自由になれる!一歩踏み出す勇気を。
私もそんな風に背中を押してもらったので。今後何か、役立つ情報が盛り込めたら…と思っています。